Brewtleな時間。Vol. 1

Brewtleな時間。Vol. 1

絵を描く時間と、紅茶のある部屋。

「Brewtleな時間」は、Brewtle Craft Tea(ブリュートルクラフトティー)が大切にしたい“装いの先にある時間”を、それぞれの暮らしを通して見つめる小さなインタビューシリーズ。

紅茶を専門に語る人ではなく、服や道具、本、家具、音楽——。 自分の好きなものを長く大切にしている人たちの日常には、自然と紅茶の時間がある。

第一回は、Brewtle Craft Teaの紅茶缶イラストを手がけていただいた、イラストレーター・ソリマチアキラさんを訪ねた。

 

イラストレーター・ソリマチアキラさんの部屋で。

都内の静かな住宅街にある、イラストレーター・ソリマチアキラさんの自宅兼アトリエを訪ねた。

都心から少し離れると、街の空気は思いのほか静かになる。

「以前は工場が多かったみたいです」

駅から続く穏やかな街並みを眺めながら、ソリマチさんがそう話す。

部屋に入ると、時間をかけて集められてきたものたちが、自然な距離感で置かれていた。

1930年代頃のイギリス製のチェア。酒棚と本棚が一緒になった、少し珍しい家具。長年使い込まれた木の艶。机の上には、フランス・ラファエル社の筆と、描きかけのイラスト。

「ここに引っ越してから、家具はほとんど変わってないですね」

二十五年。

その言葉の通り、この部屋には“完成された空間”というより、“時間によって整えられた空間”という感覚があった。

家具を集めて作ったというより、長く使ってきたものだけが残っている。

その静けさが、とても心地よかった。

この日持参したのは、Brewtle Craft TeaのHouse Tea。

インド・アッサムのCTC茶葉を使った、ブランドの定番として考えている紅茶だ。

ティーバッグをカップに入れ、お湯を注ぐ。

部屋に紅茶の香りがゆっくりと広がる。

「美味しいですね。コクがありますね」

ソリマチさんは、普段から紅茶をよく飲むという。

夏場は、水出しのアイスティーを作ることも多い。ルピシアのアールグレイ・クラシックを、リーフのままポットに入れて、一晩ゆっくり抽出する。

朝は濃いコーヒーで目を覚まし、午後や仕事の合間には紅茶を飲む。

「紅茶って、ちょっと一息つく感じがありますよね」

その言葉が、この部屋にはよく似合っていた。

今回、Brewtle Craft Teaの紅茶缶イラストを依頼したのが、ソリマチさんだった。

トラッドファッションに身を包んだ人物描写や、長く使われる道具への視線。英国的な空気をまといながらも、どこか軽やかで、静かな時間が感じられる絵。

紅茶そのものではなく、“紅茶のある時間”を描いてもらいたかった。

完成した缶を見ながら、ロゴや書体の話になる。

古いアメリカ雑誌のデザイン、少し丸みを帯びたクラシックなタイポグラフィ。

「50年代っぽい雰囲気がありますよね」

棚に置いた時に、道具や本と自然に並んで見えること。

Brewtleが作りたかったのは、そんな紅茶缶だった。

撮影では、紅茶を飲む姿、本を読む姿、机に向かう姿を撮らせてもらった。

筆を持つ手の横には、湯気の立つカップ。

どちらも長く使われてきた道具のように見えた。

使い込まれた家具。 積み重なった本。 アンティークの小物。 午後の光。 黒猫。

どれも主張しすぎない。 けれど、その人が長く好きでいるものだけが残っている。

ソリマチさんの部屋は、そんな空間だった。

帰り際、黒猫が姿を見せてくれた。

「今年で十一歳なんです」

少し柔らかくなる声。

暮らしの中にある好きなもの。 長く使う道具。 静かな午後の時間。

Brewtleの紅茶缶に描かれた黒猫も、そんな部屋の空気から生まれた。

本を開き、紅茶を飲み、静かに筆を動かす。 その時間のそばにいる存在として。

Brewtleが目指したい世界観は、こういう場所の延長線上にある。

 

Journalに戻る